Gotenzan Tea Lab.

［ 店舗 ］

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古い家は趣がある分、弱点もあります。まずは天井裏や床下、屋根、外観などの家のダメージを診断。どの部分に手がかかるかを確認します。すると、お風呂やトイレなどの水回りと屋根の損傷が大きかったので、予算の大部分がその修理にかかってしまうことがわかりました。その上で、ふたりは購入を決断。どんなふうに暮らしたいか「ウィッシュリスト」を書いてもらって、設計をスタートしました。

最低限必要なこと

ついあれもこれもと理想は尽きませんが、予算は決まっているもの。まずはこれからつくる空間に求めている機能をじっくりヒアリングして、最低限必要なことを整理していきました。
もともと描いていたのは、１階にある和室部分をカフェにして、犬も一緒にくつろげるような場所にすることでした。しかし、カフェと住居部分の動線や席数の確保が難しく、ガレージを改修して、コーヒースタンドの形態で店舗を出すことを提案。住居部分の水回りの工事はすぐにでも必要なので新婚旅行中にこちらで作業をして、店舗部分は店主となる顕（あきら）くんを中心にやってもらうことにしました。理想はたくさんあるけれど、予算が足りない。そんなときは、できるところは自分でやってもらうことを提案しています。もちろん、時間と体力に無理のない範囲で。

ＤＩＹをやってみる

顕くんと話し合って、解体と断熱、壁の仕上げとなる合板貼りをやってもらいました。最初にレクチャーを交えながら作業を一日ともにします。そのあとは作業を託して、困ったら電話をもらい、終わったら確認をしにいくという流れ。顕くんはどんどん力をつけて、いまではひとりでウッドデッキや椅子、棚をつくるまでになったから驚きです。
また、予算削減のためにもらってきた素材を中心に使い、新しく購入する素材は、断熱材や合板など必要最低限にとどめました。このお店が僕の暮らす『とものいえ』とどことなく雰囲気が似ているのは、きっとそのせいじゃないでしょうか。

少しずつ手を入れる

お店のオープンは、２０１７年１０月。珈琲やお茶を中心に、軽食も食べられます（ここのカレーパンは絶品！）。
しばらく経ってから「日差しが強くて困っている」と相談を受けました。一日中いると暑いし、並べてある商品がダメになってしまう。そこでつくったのが、庇（ひさし）です。縁側のようになるから、雨や雪も防げる。北側に壁をつけたのは、冬場に吹き込んでくる冷たい風を防ぐため。ほかにもカウンターの位置をずらすことで待合スペースを広くしたり、除雪機を置く小屋をつくったりと、ときおり相談を受けては少しずつ手を入れています。
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