とものいえづくり
[ ワークショップ ]
解体から内装の仕上げまで
自分の手でやってみる
「あれをつくりたいけれど、どうやっていいかわからない」「やってみたけれどうまくいかなかった……」というリノベーションやDIYの相談をよく受けます。そこで、家をまるごと一軒使い、解体から内装の仕上げまで、一連の流れを経験するワークショップを開催しました。
これまでの参加者は延べ30名。10代から70代の老若男女が一緒に手を動かしました。
これまでの参加者は延べ30名。10代から70代の老若男女が一緒に手を動かしました。
- 場所
- 北海道恵庭市
- 工事の種類
- リノベーション
- 構造
- 1階コンクリートブロック造+2階木造
- 建築面積
- 82.3㎡
- 築年数
- 約50年
- 開催期間
-
第1回目 2016年5月〜10月
第2回目 2017年9月〜12月
- 企画
- 村上智彦(GEN COMPANY)
- 運営
- 村上智彦(GEN COMPANY)+小山信広(Banana Drive)
- 電気工事
- 白崎実・徳武学(コレカラ工房)
- 料理
- 村上道子(GEN COMPANY)
- 写真・映像
- 辻田美穂子
- イラストレーション
- 遠藤亜未
- 協力
- 株式会社シンモク、チャコのパン
ホームセンターを使いこなす
まずは道具を揃えるところから。「インパクトドライバーはどれがいいの?」という質問をよく受けますが、ホームセンターに行くとDIYモデル、プロモデル、プライベートブランドなど十数種類がずらっと並んでいるので、そのなかから自分にあったものを選ぶのはなかなか難しいですよね。僕は、無段変速付きで、バッテリーなどが壊れてしまったときに修理しやすいメーカーのものを薦めています。無段変速がついていると、ぎゅっぎゅっ、ぎゅいーんとネジの締り具合に合わせて「加減」ができるから。こんなふうにビスと釘、ビット、メジャー、のこぎり、紙ヤスリ、木材の選び方を知り、カットコーナーの使い方を学ぶ場をつくりました。
「一連の流れ」を学ぶ
こうした活動の実践編としてはじまったのが、譲り受けた家をまるごと一軒、解体から内装の仕上げまで経験する「とものいえづくり」のワークショップです。まずは「解体コース」。解体は、建物の構造を理解するチャンスです。心構えにはじまり、道具や身体の使い方、現場で気をつけること、解体後のそうじやゴミの減らし方などを学びながら、がんがん壊します。「床・壁コース」は、床の構造について学び、フローリング貼りを。また、壁の断熱についても学び、石膏ボードを貼ります。「塗装・電気コース」は、塗料の選び方と下準備、マスキングとパテ処理をやります。加えて、電気配線やスイッチ、コンセント、照明器具の取り付けを実践。最後は、「インテリアコース」。ホームセンターにある材料を使って、2段ベッドや棚をつくりました。
毎回、朝10時から夕方の16時まで。お昼ご飯は、妻の道子さんがその季節に畑で採れる野菜を使ったものを用意してくれます。ときには参加者も加わって、さらに一品、二品。みんなでわいわいと食べる時間も楽しみのひとつです。終わったあとは、近所の『錦湯』で一風呂浴びてから解散!
プロに頼む境界線を知る
参加者のなかにはどんどん力をつけて自宅のリノベーションをがんばる人もいれば、逆に自分でやることを諦めた人もいました。たとえば佐藤さんは、珪藻土(けいそうど)を自宅の壁に塗る練習として参加。しかし、実際にやってみたところ「とてもじゃないけど無理だわ」と言って、プロに頼むことにしたそうです。いまは情報が溢れていてつい何でもできそうな気になってしまいますが、自分にできることとプロに頼む境界線を知るというのも、必要な知識のひとつだと思っています。